Kimlahimvic’s Diary

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バルサはストライカーをどうするのか? スアレスとグリーズマンの個人的思い出

ルイス・スアレス選手がアトレチコ・マドリードに移籍した最初の試合で、

いきなり2ゴールを挙げる活躍をしました。

 

私にとっては何も驚くことではありません。

スアレスは今なおリーガで15〜20点は確実に計算できるトップストライカーであり、

その得点感覚やシュート技術はほとんど衰えを見せていないからです。

 

いろんな政治が絡みあってのことだと思いますが、

バルセロナがなぜあんな無下にスアレスを放出したのか理解できません。

年齢や衰え、契約年数のこともあるでしょうけど、

スアレス以上のストライカーを即戦力で連れてくることは、

今のバルセロナには不可能です。

 

なぜ放出してしまったのでしょうか??

 

最近はワンタッチストライカーのイメージも強いスアレスですが、

私はスアレスのドリブルが好きです。

 

あの低い重心、南米特有の、最近のサッカーではあまり見られない、深い鋭角の切り返し。

 

 

スアレスを初めて見たのは確か2010年か、2011年、アヤックスに在籍してた頃です。

 

確か右ウイングをしていたが、めちゃくちゃ点を取っていました。

確かエールディビジで年間30点以上とったと言ってた気がします。

 

右サイドから一人、二人は軽々と抜き去ってそのままシュートを打っていました。

股抜きも一試合に何回も多用してて、一人だけレベルが違っていました。

 

本人もわかっていたのか、相手にも自分のチームの味方にも苛立っているように見えました。

実際、アヤックスも「チーム・スアレス」と言う感じでした。

 

これはすぐにビッグクラブに移籍するな、と思いました。

 

そうしたらやっぱりすぐにリバプールに移って、

そこからの活躍は言うまでもありません。

 

ちなみにスアレスと言えば悪童としても有名で、

特に2010年W杯の準々決勝、ガーナ戦での相手シュートをハンドで止めて退場になった件と、

2014年W杯、イタリア戦でのキエッリーニへの噛みつき事件での退場が知られています。

 

私は噛みつきに関しては、馬鹿なことを・・・としか思えませんが、

ガーナ戦のハンドについては、非常に合理的かつ、利他的行動だと評価しています。

 

あそこで手を出さなければ確実に敗退していたわけだし、

自分が退場になっても延長で勝てる可能性がある、と踏んで実行したわけなので、

少しでも可能性の高い選択を選んだ合理的行動に過ぎません。

 

倫理的な面から言っても、ルールの裁きを受けているわけですから、

それ以上でも以下でもないと思います。

 

と言うかあの場面で手が出ないような選手、あの場面で手で止めることを卑怯と思う方は、

サッカーというスポーツには向いていないように思います。

 

サッカーはルールのギリギリのところで、いかに騙し合うか、出し抜くか、

ということを90分間ずっと考えるスポーツなのです。

 

 

 

話がそれました。移籍の話に戻ります。

 

スアレス級のストライカーはそもそもほとんど存在してません。

しかもメッシとのコンビネーションを図れる選手となると、

もう選択肢はないに等しいのではないでしょうか。

アグエロ? ラウタロ

 

 

それともグリーズマンセンターフォワードに据えようとしているのでしょうか??

 

グリーズマンバルセロナに来て以来、ずっと萎縮してプレーしているように見えます。

ソシエダの頃のヤンチャな仕掛けも影を潜めていますし、

表情もいつも曇ってます。

 

 

私が唯一、ヨーロッパサッカーを生観戦したことがあるのが、

カンプノウでのバルセロナの試合なのですが、

その時の相手チームはレアル・ソシエダで、左サイドに若きグリーズマンがいました。

 

試合は2013年当時のベストメンバーでホームゲームに臨んだバルサが開始直後から圧倒し、

前半だけで4−0になってしまうワンサイドゲームですが、

左サイドで一人気を吐いていたのがグリーズマンでした。

 

彼はまだ無名の若者にも関わらず、カンプノウの6万人のブーイングにも負けず、

ボールを持つと必ずダニエウ・アウベスに仕掛けてました。

 

だいたい囲まれて潰されてましたが、何度も執拗に仕掛ける姿に、

すごいメンタルだな〜と感心したのを覚えてます。

 

試合は後半、左サイドを強引に突破したグリーズマンが角度のないところから

シュートを突き刺し、一矢報いました。

 

 

そんなグリーズマンアトレチコでの活躍を経て、今はバルサという因果です。

アトレチコに去ったスアレスの代わりとなれるのでしょうか?

 

 

あの頃のヤンチャなグリーズマンに戻って、バルサでも暴れて欲しいです。

スアレスの代わりなんだし。

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパサッカー新シーズン開幕! リーズがプレミアに戻ってきた!

ヨーロッパのサッカーシーズンがついに始まりました。

 

今年は当然のことながらだいぶイレギュラーな日程で、

各リーグとも全チーム一斉に第1節を迎えられたわけではないようです。

 

そりゃそうですよね、なんたって今年は昨季(2019-2020シーズン)の終盤が

コロナの影響で丸々延期になってしまい、6月ごろにそ〜っと再開されたものの、

チャンピオンズリーグも例年のホーム&アウェイ方式をやめて、

準々決勝以降は決勝戦の開催地、リスボンに全チームを集めての全試合一発勝負、

しかも無観客、というレギュレーションでなんとか開催にこぎつけて、

勝戦が終わったのが8月23日、という前代未聞のイレギュラーっぷりだった。

 

例年ヨーロッパのサッカーは9月(一部8月半ば)に開幕し、

翌年の5月、遅くても6月初頭には終了、

その後、選手は移籍のドタバタを移籍期限最終日まで繰り広げたり、

イビザ島などのヨーロッパのバカンス地でめいめいのサマーバケーションを堪能したりする。

 

そのサマーバケーションが今年はなかった。

特にチャンピオンズリーグ準準決勝に残ったチームは。(ELも)

 

しかもコロナの第一波中、ヨーロッパのほとんどの国は厳しいロックダウンを行い、

サッカー選手は試合ができないどころか、チームが集まって練習することもできなかった。

 

家でトレーニングといっても限界があるだろうし、

7月に再開されたリーグやCL、ELを見ても、

どう見てもコンディションがピークじゃないだろう選手が

多かったような気がする。また、実際、怪我も多かった。

 

 

そんな状態のまま、しっかり休むことも、チームとしてじっくり練習することも

ままならないまま突入した2020−2021シーズン。

 

選手には怪我をしないようしっかり休んで欲しかったし、

もう少し慎重に再開した方が良かったんじゃないの、

という気持ちもあるにはあるけれど、

やはり主要リーグが続々開幕を迎えると、ワクワクしてしまう。

 

 

イングランド・プレミアリーグの開幕節、

昨年の王者リバプールに、昇格組のリーズ・ユナイテッドがいきなりぶつけられていた。

 

昨年のスカッドがほぼそのまま残り、なおかつ南野など昨季途中で入った新戦力も徐々に

フィットしつつあるリバプールに、今季17年ぶりに昇格したリーズはさすがに酷だろう、

と思ったが・・・。

 

 

リーズは降格する直前の2000年代初頭、一大旋風を巻き起こした。

 

 

リオ・ファーディナンドイアン・ハートハリー・キューウェルアラン・スミスといったイキのいい若手が次々に登場した。

 

それはまさに90年代、デヴィッド・ベッカムポール・スコールズライアン・ギグス

ニッキー・バット、ネビル兄弟などの若手が次々に台頭し、

ついには欧州の頂点に立った頃のマンチェスター・ユナイテッド

「ヤング・ガンズ」と呼ばれていたことを彷彿とさせるものがあり、

実際「ヤング・リーズ」と呼ばれたりもしていた。

 

一時はチャンピオンズリーグ準決勝まで進む躍進を見せるものの、

過剰な投資がたたり財政難に陥り、主力選手を次々に放出。

ファーディナンドやスミスはマンチェスター・ユナイテッドに移籍した)

 

2004年の降格を最後にプレミアの舞台に上がってくることはなかった。

 

 

そのリーズがようやくプレミアに戻ってきたのだ。

 

 

私が大学生だったあの頃のリーズのように、派手なメンバーではない。

しかし開幕戦のピッチに散らばり、開始の笛とともに猛然と走り出す11人を見て、

もう一つ重要な事実を思い出した。

 

 

彼らは2018年から、マルセロ・ビエルサ監督によって作られてきたチームということを。

 

 

フットボール界の奇人」

「戦術マニアで自宅に世界中の試合を記録したビデオが数万本ある」

「というか練習場の監督室に寝泊りしている」

 

など、数々の逸話で知られるマルセロ・ビエルサ監督は自他共に認める戦術マニアだ。

 

その偏狭的とも言える戦術へのこだわりっぷりと、

自らの戦術の完璧な遂行のためには選手にも組織にも会長にも一切妥協しない頑固っぷりで、

それがうまくハマれば無名な選手ばかりでもとんでもないチームを作ってくるし、

ハマらなければすぐに誰かと喧嘩して決別してしまう鬼才。

 

2010年の南アフリカW杯の時、彼はチリ代表を率いてベスト16に進出したが、

アレクシス・サンチェスビダル、イスラ、ボーセジュールといった若い選手たちが、

攻撃の際にどんどん人が後ろからボールを追い越して上がっていく新鮮なサッカーを見た

解説の山本昌邦さんが、

 

「このコンセプトをどうやって選手たちに理解させたのか、

どういう練習をして落とし込んだのか、全く想像できない。」

 

と仰っていたのを思い出す。

今のリーズはそんな一筋縄ではいかない男、ビエルサが2年かけて作ってきたチームなのだ。

 

 

そしてこの試合。

戦術には疎い私も開始10〜15分ですぐに気づいた。

フィールドの10人全員が完全なマンマークを行なっていることに。

 

プロというか大人の試合ではほとんど見かけない、全員マンマーク戦術。

小学生の試合でよくみるけど、それをトップレベルのプロ選手がやる目的って何なのか、

私には真意を図りかねるが、確実にリバプールの選手は戸惑っているようだ。

また、ボールを奪うと一気に後方の選手がボールを追い越して上がってくる動きも健在だ。

 

なんか攻守に過剰にダイナミック。

90分持つんだろうか、と心配しながらも、最高にスリリングだ。

知らない選手ばかりだったのにいつの間にか応援していた。

 

試合は点の取り合いになり、最後はリバプールがなんとか突き放して、

4−3で勝ったけど、誰もが思ったはずだ。

 

今年のリーズはひと暴れするぞ、と。

 

 

 

リーズがようやくプレミアに戻ってきた。

今季もヨーロッパサッカー、楽しめそうだ。