Kimlahimvic’s Diary

Rock, Book, Beer, and Soccer などのとりとめのない話

ANN「お笑いウィーク」での若い世代の新鮮な面白さに、なんだか考えてしまった話

先週はニッポン放送が「お笑いラジオスターウィーク」と銘打ち、

オールナイトニッポンとゼロが全て芸人、という1週間でした。

 

そのため私の好きな『佐久間宣行ANN0』はなかったけれど、

代わりに登場した芸人の単発の番組が大変面白かったので、

記録しておきます。

 

『マヂカル・ラブリーANN0』

正直、Mー1の決勝や敗者復活戦で見ていたときはほとんど印象に残っていなかったけれど、

最近ゴットタンや勇者ああああで野田クリスタルさんを見かけて、

その異様な存在感、というか異物感に遅まきながら私も薄々気付き始めていた。

 

特にあのマッチョな体に、

ゲームオタクかつ、プログラミングで自作ゲーム(野田ゲー)を作っているという

ミスマッチな特技が同居している、

互いにトゥーマッチなものが引っ張り合っている気持ちの悪いエネルギーが漲っている感じ。

 

そして意外にも抑制された、達者な喋りでそれらを無理やり統合している感じ。

 

しかしそのどれもが一般受けしていない、鬱屈とした雰囲気。

 

それらにピントが合い始めた私は、野田クリスタルさんの面白さにハマってしまいました。

 

芸人(芸人ラジオ)は実力はあるけど売れてない鬱屈としたタイミングが、

最も面白い時期だと思いますが、彼らはまさにそんな時期でしょうか。

 

ラジオ的には2人の声が明確に違うのも聞きやすくて良いです。

 

アルピー酒井さんのエピソードトークが転がっていって、

最後まで膨らんでいく展開も深夜ラジオの王道でした。

 

今年聞いた芸人ラジオでは、彼らや鬼越トマホーク、ぺこぱが面白かったです。

(野田さんも言ってましたが)

 

この3組には次の世代の深夜ラジオを担って欲しいなと思います。

 

 

 

『コント村 ANN0』

コント村とはゾフィー・上田、かが屋・加賀、ハナコ・秋山、ザ・マミィ・林田からなる

コントユニットだそうです。

 

これまたゴットタンでその存在を知りましたが、

第7世代はもう自分の世代ではないという気遅れ感があり、

それぞれのコンビについてあまり詳しく見たことがありませんでした。

 

内容についてはとにかく短いコントを何本も流す、という構成で、

トークの間も惜しいという感じでコントを詰め込んでました。

 

これもゴットタンで確かニューヨークが言ってたことですが、

「第7世代とその上の世代の違いは、頑張ってる姿を見せるかどうか」

だそうです。

 

まさにこの番組で彼らは、自分たちがどれだけコントが好きか、

どれだけコントを頑張って書いてきたか、そしてコントを演じるのがどれだけ楽しいか、

を恥もてらいもなく表明しています。

 

それは「頑張ってるところを出すのが恥ずかしい」という暗黙の了解がある、

上の世代の芸人(私もこちらの方が共感出来てしまう世代ですが・・)

とは明らかに違うスタンスです。

 

 

今の20代以下の若い世代は、自分の好きなものがマニアックであったり、

オタク的なものであることに我々世代ほど抵抗がないように思います。

 

むしろ自分がどれだけその一般受けしない対象に没入し、熱中しているか、

が大事であり、そうであればあるほどカッコ良い、的な風潮さえ感じる時があります。

 

オタクの一般化とでも言えるのでしょうか。

オタクであることは青春の一要件でさえあるようです。

 

それについてはいい点も悪い点もあると思います。

どちらが優れているという話ではないです。

 

実際、コントそのものは世代の違いを感じることなく、

どれも面白かったです。

 

この番組はまさに、そんな若きコント・オタクたちのエネルギーが、

ストレートに投入された番組でした。

 

 

『フワちゃん ANN0』

最後はフワちゃんです。

 

フワちゃんはちょっと前にYoutubeで知って以来、すぐにファンになりました。

 

最初にセブ島に英語の短期留学に行く回を見たのですが、

意外に英語がうまいフワちゃん。

 

それはさておき、当然ラジオも型破りな放送に。

 

フリートークがないと言ってわめきだす、

曲をかけたら一緒に歌い出す、

そのくせCM明けのジングルや架空CM?は念入りに作り込んでいる、など。

 

めちゃくちゃな放送でしたが、なぜか終わった後、

「これは面白かった!」となりました。

 

なぜか。

多分フワちゃんは確信犯で、自信を持ってめちゃくちゃしているからです。

 

なぜ確信的なのか。

それはフワちゃんがある世代の、

ある趣向の人たちの「ノリ」を確実に代弁しているからです。(八王子のギャル?)

 

フワちゃんのノリが既存のテレビやラジオより面白い!と思える層が確実におり、

フワちゃん自身も彼ら彼女らが自分の後ろにいることに自覚的だからこそ、

自信を持ってあのノリを続けられるのだと思います。

 

「つまらないのはあんた達。うちらは最高に面白い」

 

と全身全霊で言ってるように思えます。

 

私はフワちゃんのノリがドンピシャな層ではもちろんありませんが、

自分達が面白いと思うことを確信的に貫き通すフワちゃんを傍目に見ているのは爽快で、

ワクワクしてきます。

 

フワちゃんの主戦場は元々はYoutubeでしたが、

Youtubeの視聴環境というのは、一家団欒のお茶の間の象徴であったテレビとは違って、

自分の部屋で、一人でスマホやPCに向かって見る、というのが多いと思います。

 

つまりYoutubeはそもそも寂しいのです。

 

だからこそ、あのフワちゃんの底抜けの明るさ、やかましさ、派手さが受け入れられたのだと私は思います。フワちゃんはYoutubeで見るとしっくりきます。

 

テレビのお約束に絡めとられずに、これからも頑張って欲しいです。

 

 

 

そんなこんなで3本立て続けに聞いたら、

若い世代のエネルギーに当てられてしまって、

東野やくりぃむ、漫才サミットのANNはなんだか聞く気が起きず仕舞いに

なってしまいました。。。